世界の見え方が変わった。
大げさに聞こえるかもしれないけれど、自分の感覚では、この目で見る景色の見え方が以前とは、全然違う。
2019年の年末、私は近所の絵画教室に通い始めました。
理由は、3つ。
1つ目は、学校で図工主任を任されていたことがきっかけ。
主任だろうが何だろうが、別にわざわざ自分が絵を描けなければいけないわけじゃないけれど、何も知らないよりは、ちょっとかじっておくのもいいだろうと思って、絵でも習ってみるか、と。
2つ目は、学校という世界以外の居場所がほしかったから。
学校で仕事をしていると、私の場合、それ以外のことを考えられなくなり、どうしても他の世界が閉ざされがち。学校で出会う先生方は、どの方もとっても魅力的で素敵な人たちだけれど、学校以外の人間関係がないのも自分の視野が狭くなると思う。だから、職場以外に自分が所属するものがほしかった。
3つ目は、もし絵が描けたら、将来体が動かなくなっても、人生の楽しみがあると思ったから。
私のおばあちゃんは、年々体の機能が衰えているようだけれど、一日中家で座って針をチクチクすることで、お金を稼ぎ、有松絞りの伝統工芸士として今も活躍している。本人いわく、「しぼりが遊んでくれるから、人生楽しい」らしい。私も体が動かなくなっても、何かできるものを今のうちから一つでももっておきたいと思ったのだ。そうしたら、死ぬその日までこの社会に貢献できることが何かしらあるかもしれない。それが、自分にとっては楽しい生き方だと想像する。
で、小学生のころ通っていた絵画教室に20年ぶりに電話をしたわけなのだ。
前置きが長くなってしまったけれど、そういうわけでかれこれ絵画教室に通い始めて1年半近くになる。
先生が日本画の先生なので、私はまったくもって未知の世界だった日本画をそこで習っている。
この1年半で、ずいぶんものの見方が変わった。
物事をじっくりと、見るようになった。
特に植物。
花が咲いているのを見ると今までは、「きれいだな」くらいで、終わりだったけれど、最近は立ち止まって、まじまじと見てしまう。
これは、どういう形しているんだろう?
なんて美しい色なんだ。
この曲線が神秘的。
これは不思議な植物だなぁ。
などなど・・・。
とにかく、植物を見ると
「これ、ちょっと描いてみたいな。」
そんな発想になる。
最近は、外を歩くといろんな花がきれいに咲いているので、いちいちそんなことを考えてしまって、楽しい気分に。
楽しいっていうか、なんていうか、幸せな気分になる。
この世界には、どんだけ美しいものあるんだよ!
と、いちいち感動している。
「教育」という世界ほど、奥深いものはない!って思ってたけど、どんな世界も実に奥深く、興味深い。
いろんなことに興味が湧いてしまう自分は、ほんと一つの人生では足りないくらい、やりたいことがたくさんある。
でも、それでも「人生は一つ」という真実は、変えられないから
、「人生は、選択。」
なんだよね。
今日は、3月に忙しすぎて教室へ行けなかった分の振りかえとして、丸一日アトリエで絵を描かせてもらいました。
本当、幸せな時間でした。
ありがとうございました。
日本画を描くには、まずスケッチをして、水彩で色をつけて、下準備。
この後、日本画の製作がスタートです。