思い出話

顧問に言われたこと

自分にかけられた忘れられない言葉が、誰にでもあるだろう。

 

今日もまたそのうちの一つが私の頭によみがえった。

高校時代、バスケットしかやっていなかった私。

当時の顧問の基準が、私のすべてだった。

顧問に認められることが、私の最も望むことだった。

この顧問から言われたことで、いつまでも自分のお尻を叩いてくれる言葉がある。

今日は、それを書きたい。

 

バスケットをやっていた私。

スポーツマンであるかぎり、体調管理は個々の義務であった。

冬は風邪やインフルエンザにでも罹ったら、練習ができなくなる。
だから、当時バスケット部員は、冬の間はマスクをつけることが義務だった。

でも、ある時マスクを忘れた。

どこかで買おっかな~と思ったけれど、面倒でその日一日マスクをつけなかった。

それを顧問に見られ、どうしてマスクをつけていないのか?と聞かれ私はこう答えた。

「すみません。家に忘れてしまって…。でも、買おうと思ったんです。」

顧問は、「思っているだけではだめだ。」といって私の言動にあきれていた。

 

また別の話。

1年生の頃、部活動で3年生を送り出す会で私たちは何もプレゼントを用意しなかった。

でも、前日私は何か渡した方がいいかなぁ~、クッキーでも焼こうかなぁ~と思ったけれど、結局何も用意しなかった。

すると、顧問にあとから

「あなたたちは、誰も3年生の先輩に贈り物を用意しようと思わなかったの?」

と聞かれた。

私は、顧問から嫌われたくなく、少なくとも思いがなかったわけではないと伝えた。

「私は、贈り物を用意しようと考えてはいたんです!」

と。

この時、顧問にこう言われた。

「サラ(私のコートネーム)は、いつも頭ではいろんなことを考えているよね。でも、それを実行しなかったら、何も考えていないのと同じこと。」

 

が~んと思ったけれど、真実だと思った。

誰かを助けたい、
人として正しいことをしたい、
みんなに優しくありたい、

そうやって頭ではいいことを考えていても、結局実行できなかったら、それは何も思っていない人間と同じ。

そう、想いは形にしないと、世界は何も変わらない。

 

思っているだけでは、だめ。
行動してこそ真実。

 

そんな言葉が、今も私の胸に生き続け、お尻を叩いてくれます。

 


普通のJKが楽しんでいたことを一切できなかった高校時代だったが、後悔はない。