思い出話

嫌いだった先生

ふと、昔のある一シーンを思い出すことって、みなさんあります??

 

昨日、事務所の掃除をしているときに、なぜかふとある先生のことを思い出した。

 

 

17年も前の、中2の時のこと。

 

(人の脳って不思議で、中学生の思い出って何歳になってもとても鮮明に覚えているものなんですね。)

 

私は、学校生活が好きな子だったし、先生のことも嫌いじゃなかった。

 

でも、ある一人の先生のことが嫌いになった2つのエピソードがある。

 

 

掃除の時間、私は黒板係で、黒板受けにたまったチョークの粉を雑巾でふいていた。

 

チョーク入れを見てみると、チョークが黒板の粉で真っ白に。

 

赤のチョークなのに、粉がつきすぎて、白いチョークみたいに見えた。

 

(このままじゃ、授業する時に先生の手が汚れちゃう。きれいに吹いておこう。)

 

そんな純粋な心で、チョークを濡れ雑巾できれいにしておいた。

 

 

掃除の後の、授業。

 

先生がチョークを取り出す。

 

すると、先生がいきなり怒鳴り声をあげた。

 

「だれだ!チョークを濡らしたやつは!!!

 

こんな風にチョークで遊んでいいと思っているのか!

 

一体誰なんだこんなことしたやつは!!名乗り出なさい!」

 

 

私の心臓はバクバク。

 

(先生、私、遊んだわけじゃないんだよ。先生の手が汚れないようにきれいにしたんだよ。)

 

私は、いきなりクラスに向かって怒鳴った先生にびっくりして、本当のことが言えなかった。

 

純粋な心で行った行動を思いっきり否定されたショックで、この時のことを今でも鮮明に覚えている。

 

 

ただ、当時、私の学校は荒れていたから、子どもが教師いじめしたり、嫌がらせしたりということは結構あったので、そういうセンサーがこの先生にはついちゃっていたのかもしれない。だから、そうやって反応した先生のことも理解できないわけではない。

 

 

 

 

もう一つ。

 

当時、国語の授業の最後には、単元で扱ったプリントをまとめて、一冊の冊子をつくり、その後ろに単元の感想を書くまとめがあった。

 

国語の授業は結構好きだった。

 

でも、毎回その単元まとめ冊子につけられる先生のコメントはこうだった。

 

「もう少し、丁寧に字を書きましょう。」

 

字が汚いせいで、いつも評価を下げられた。

 

字が汚いのは、お年頃の女の子にとっては、結構コンプレックスの一つでもある。

 

これが、2回くらい続いたので、私は今度こそは!といつもの倍以上の時間をかけて、自分にできる精一杯のきれいな字で感想を書いた。

 

(今度こそ、絶対いい評価してもらえるはず!だってこんなに頑張って書いたんだもん!)

 

そして、帰ってきた単元テストの先生からのコメント。

 

「もう少し、丁寧に字を書きましょう。」

 

 

もう、いいやって思った。

 

先生は、私のこと何もわかっていないや。

 

先生から見たら汚い字でも、もし普段の私の字を知っていたら、この一枚にどれだけ私が時間をかけかたわかってくれるはず。

 

「今回は、がんばってきれいに書いたね。」

 

って言ってもらいたかった。

 

そのために、めちゃくちゃ時間をかけたのに、一ミリも気づいてくれない。

 

もういいや。

 

この先生はもうなにやったって、わかってくれない。

 

 

そう思った。

 

 

 

なぜだろう?

 

ふと、こんな昔のエピソードが頭に浮かんできた。

 

 

 

でも、ふと思う。

 

実は、私も知らない間に生徒に大して同じような態度をとっていたことがあったのかもな。

 

と。

 

今振り返れば、子どものことを全然理解してあげられない教師だった気がする。

 

 

 

自分の在り方に自信がなかった教員時代。

 

わからない中、もがきながら、なんとか生きていた。

 

そんな状態だったから、子どもに大したことをできた教師ではなかった。

 

それでも、卒業式間際のとき、

 

「咲先生は、3年間、毎日私たちのために本当にたくさんの愛を注いでくれました。ありがとうございました。」

 

と、手紙で伝えてくれた子がいた。

 

クラスで目立つような子ではなかった。

 

気の利いた言葉を言えるようなタイプの子でもなかった。

 

その子の言葉に嘘がないことがわかって、私は涙が止まらなかった。

 

ほんっと、何もできなかった自分なのに、私の姿を見てくれてた子がいたことに、何とも言えない気持ちになって、涙があふれた。

 

 

 

 

 

身近な人にわかってもらえないことがどんなにさみしいことか

 

目の前の人にわかってもらえることがどんなにうれしいことか

 

 

 

そんなことを思ったりした、昔々の思い出だったのでした。

グアテマラでは、プレゼントにマグカップをわたしがち。
しかも、顔入り。

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んー、なんかな。

なんか、飲みづらいぞ。