2020年の1月から始めた一人の男の子への支援。
彼の家は父親がいなく、毎日低賃金で大工屋さんで日々の生活費を稼ぎながら生活していました。
成績は優秀だけれども中学進学の際に、雑費を払うお金がないということで学業をあきらめようとしていました。
そこで、私がまずは試しにといっては言葉が適切ではないかもしれませんが、私自身が個人的にこの子を支援することを決め、一人の子を支援するにはどれだけのお金が実際にかかるのか、見てみたいと思っていました。
ちなみに、2年前、彼は将来教師になりたいといっていました。(でも、これは本心だったのか、私の期待に応えるために言ったのか、わかりません。)
教師になるというなら、次の世代の子どもたちのために貢献していく人材なのだから、私は質のよい教育を受けてもらいたいと思っていました。
ですから、ただ安く学校へ通えればいいというわけではないと思ったので、多少お金がかかろうとも、公立の学校ではなく、授業や教員の質がより高いとされる私立への進学をすすめました。
そうして、本人や家族と相談しながら決めた私立の学校へ通い始めて現在2年目。
1年目はすぐにコロナになってしまい、その年はもうグアテマラ全土の学校がぐちゃぐちゃの状態だったようですが、今ではそんなカオスな日々も慣れてきて、現在はオンラインで授業を受けているペドロ。
(家では、ネットがないので毎回現地協力者の家に来て授業を受けています。)
現在は、水曜日と木曜日に35分間の授業が5,6クラスあるみたい。
昨日は、横でその授業の様子を見させてもらいましたが、生徒も先生ももうオンラインに慣れているようでした。
おとといは、ペドロの通う学校へ行き、今年の授業料を最後の月まで払いにいきました。
(こちらが、ペドロの学校。町の中心にあるカトリックの学校です。)
この辺のお金関係は、すべて元CPの奥さんであり、ペドロの6年生の時の担任であるロサが本当にしっかりとやってくれていました。
この日も、ロサと一緒に校長先生に会いに行き、ペドロの学業の様子や学校のコロナ禍で授業体制などについて直接お聞きしました。
ペドロへの支援金の管理は、初めにロサとよく話し合ったうえでどう扱っていくか決めていました。
文房具については、とある文房具屋と提携し、ペドロはいつでもここへ来て必要なものを店員に報告して支払いはせずに持って帰ってもらい、その分をノートにツケておいてもらいました。
そこにロサが数か月に一度支払いにくるというシステム。
おととい、私も一緒に支払いに行きました。
(この日は、このエリアみんな停電していて、お店の人はケータイのライトで照らして帳簿を見ていました。)
お店の人もとてもしっかりとノートに記録してくれていて、安心しました。
(このノートに、いつ何を買ったかが細かく記録されています。支払いが終わると、支払い済みのはんこを押してもらえます。)
学校で必要な印刷物やネット検索は、リセの家のお店で同じようにツケシステムでやってもらっていました。
ロサと一緒に支払いに行くと、リセのお姉ちゃんが今年分の印刷などにかかった費用をとても丁寧に記録してく入れていて助かりました。ここまで記録してもらえると、めちゃくちゃ信頼できます。
こんな感じで、私が日本の生活で忙しくしてしまって、グアテマラのことに全然かかわれていない時も現地の協力者であるロサや周りの人たちが私との約束通りにしっかりとお金の管理をしてくれたおかげで、ここまでやってこられました。
ロサは、これらの支出をすべてきっちりノートに記録してくれていました。
それで、今日私がこの記録をスプレッドシートにまとめてみました。
2020年の支出はこちら。
カテゴリーを三つに分けてみました。
①学校への支払い Q1,135(約1万7千円)
②勉強に必要な物資等購入 Q1,276.50(約1万9千円)
③その他(くつやクリスマスの贈り物) Q390(約6千円)
2020年の合計支出額は、Q2,801.50 (約4万2千円)
コロナで学校の授業が4か月間なかったため、その分初年度は授業料が浮き、予想よりも支出は少なかったです。
ただ、その分勉強もできていないし、ペドロもネット環境がなくて調べ物ができなかったりと、いろいろな要因が重なり、1年生時の成績は、平均70点。
私との約束で、成績は80点以上を取れなければ、翌年の支援は続けられないとしていましたが、この一年はかなりイレギュラーだったので仕方ないことだと受け入れました。
2021年は10月の第3週目で今年の学年は終了です。1年に大きなテストが4回あるのですが、ここまでの3回のペドロの成績を見ると、英語以外はかなりいいのでこのままいけばおそらく80点以上はとることでしょう。(英語は、ここから私がスパルタで教えます。笑)
2年目もだいたい支出は初年度と大きく変わらなそうです。
つまり、1年間で4万円ほどで一人の子どもを私立の中学校へ送れることが分かってきました。
これを月額にすると3500円ほどになるので、里親制度にして毎月サポートしてもらうなら、その他の雑費や人件費などを込めておそらく5000円以下で行けると思います。
ただ、ここからは私のビジョンをより磨いていかないといけないなと思っていて、そこが一番難しい。
というのも今日、これから4か月限定で英語のレッスンを受けてもらう子どものを探すために、6年生の先生に聞き取り調査をしに行ったのですが、自分の中でとても迷いがあることが分かりました。
例えば、
①めちゃくちゃ貧困家庭の普通の子
か
②経済的には普通のレベルの超優秀な子
この2択の場合、どっちを選ぶべきなのか、しっかりと答えが出せていない。
もちろん、貧困家庭の子どもたちを支援したい思いはある。
でも、貧困家庭の子どもの場合、やっぱり家族の理解を得ることだったり、約束を守ることだったり、いろいろと不安定な面があって、私の支援が未来で本当に生きた形に体現できるかという点では、少し自信がないのです。
貧困家庭で超優秀っていう子がいたらいたら、もちろんいいのだけれど、実際のところ、貧困家庭の親御さんは教育に対する意識も低く、その影響のあって、子どももあまり勉学に意欲を示さないケースが多いらしくって。
私は支援をするのであれば、本気で子だち一人一人の人生と向き合っていきたいと思っているし、この支援を一世代で終わらせるのではなく、次の世代へとつながっている動きにしたいと思っている。
だから、いい教育を受けたその先にこの村へ受けたものを還元できる子どもに支援を届けたいのだけれど、その決断というか、子ども選びの細かい基準が分からなくなってきてしまった・・・。
分からないっていうか、これは自分自身の決断でしかないのだけれど、
誰かを選ぶってことは
誰かを選ばないってことだから、
きれいごとではやれないし、
それなりにしっかりとした理由を自分のなかに持っていないと、今後、いろいろとぶれていきそうで・・・。
今、めちゃくちゃ大事なところを向き合っている気がしています。
でも、とりあえず今探しているのは4か月間の英語プログラムを受けてくれるこどもたちなので、いっそのこといろんなタイプの子に受けてもらって、その様子を観察してみようかな…。
まだまだ決めるべきことは、たくさんあるようです。
一人でやっているとだれも指示してくれないし、時期も、数も、人数も、場所も、日にちも、時間も、金額も、パートナーも、すべて、すべて自分で決めないといけないのでこの決断の連続が、私の中にある見えないものをどんどん見せてくれます。
正直、この作業はプレッシャーがすごい。
自分なんて大した知識も経験もないのに、こんなにいろいろ自分で決めるのか?と思うと、
組織の中でただただ言われたことをやってお金もらって、文句まで言っていた自分が懐かしく、そしてそんな自分は無知であったなぁと思うのでした。
現在、現地協力者も同時に探しているので、いいパートナーが見つかるといいなぁと思っています。