奨学金事業

複雑な決断

4月から、日本にいながらでも英語プログラムをグアテマラの子どもたちに提供するというチャレンジをします。

さらに、教えるのは私ではなく、日本人のボランティア先生というダブルチャレンジの検証もしていきます。

 

里親さんも3名見つかり、スケジュールも立て、いざ!

というとき、ずっと引っかかっていたことに対して今日決断せねばならぬことがありました。

 

トライアルに参加した9名の子どもたちから3名を選んだのですが、そのうち1名に対してずっと連絡ができていませんでした。というのも、彼女の家には連絡手段がなく、いつも何かを伝えるときは、担任の先生がご近所さんに連絡して、そのご近所さんがその家庭に連絡するという形でしたが、私が日本に帰ってから時差もありより連絡を取ることが難しくなっていました。

そして、以前から気になっていた親の理解の面でも、はっきりとさせる必要がありました。私が提供するものは、中学進学を願う子どもと家族を応援するプログラムになる予定なので、そもそも中学へ行く気がない子どもに私のプログラムに参加してもらうわけにはいかないので。

そこで、そのあたりをしっかりと伝えたうえで始める必要があり、その点について聞いてきてほしいと担任の先生と現地協力者にお願いしていました。

でも、どうやらそこらへんもうまく進んでいないようで、私はあせっておりました。

さっき、現地協力者と電話をすることができ、事情をいろいろと説明してもらいました。

 

どうやら本人と母親は、勉強を続けていくことを願っているようなのですが、お父さんが反対しているようです。

農業に従事しいてきたお父さんは、勉強して何になる?という考えで、中学進学へも前向きではないようです。

今後その考えも変わる可能性はあるかもしれないと母親のほうが願っているようですが、今すぐは進学希望があるといえないようです。

そうなると、私もなかなかこのプログラムを提供することが難しくなります。

グアテマラに私がいて直接話ができるならまだしも、ただでさえ連絡がとりにくいのに、相手の理解がないままこのプログラムを提供していくのは、大きな困難が予想されます。

そういうわけで、現地協力者と話し合った結果、今回は別の子どもに参加のチャンスを与えることにしました。

本人は優秀で、約束も守ることができる素敵な候補生だったことを知っている分、とても複雑ですが、今の私には親の理解なしにこのプログラムをすすめられる力はありません。

 

人にはそれぞれに正義があって、きっと彼女のお父さんもお父さんの価値観の中で一番よいと思うことをしていると思うので、私にはお父さんの娘への態度の是非をいう資格はありません。

でも、学びたいと願う子どもの思いがかなわない事情がグアテマラにはたくさんあるということを改めて感じた今日でした。

複雑な思いですが、私は私にできる範囲の中で、前に進むしかない。