町でも
学校でも
子どもは私をみると
「サキコンドー!」
叫んでくれます。
連呼してくれます。
覚えてくれてうれしい。
そして、私は覚えられなくてごめんなさい…。
ここでよく聞かれる質問。
「お母さんの名前は?」
「お父さんの名前は?」
「兄弟はいるの?名前は?」
「おばあちゃんの名前は?」
どこの学校でもたいてい必ず子どもはこの質問をしてきます。
初めはそれを聞いてどうする?
なぜそんなことを聞く?
と思いましたが、
きっとグアテマラでは、「家族」というものがその人を表す大切なものなんですね。
今日もいろんな授業を見せていただきました。
こうしていろんな先生の授業を見せていただくのは、一教師としてとても勉強になる。
グアテマラにも素晴らしい先生は何人もいて、子どもの発達に合わせて発問の仕方や授業展開を工夫している先生方も。
今週の目標は、パイロット校全員の先生の授業を見ることと、それぞれの教室環境、子どもの実態をざっとつかむことです。
そのなかで、教科書の不足を把握するために、教科書の数と子どもの人数を聞いてまわっているのですが、ここでもまた新たな発見。
たいていの教室で聞く子どもの在籍数と出席数に大きな差が…。
先生たちに聞いてみると、学校に来なくなってしまった子たちがたくさんいると。
ある一年生はこの一年で5人来なくなっちゃったって。
2人は仕事で。午前働いて、午後に学校という生活ですが、仕事が長引くか、疲れて学校へ来れないかで来なくなってしまったと。
1人はお母さんが亡くなってしまい、お父さんはほかの女の人と一緒になってという環境で登校するのが難しくなったと。
1人は何かの関係で引っ越し。
1人も家族の問題で来れなくなったと。
高学年になればなるほど、子どもの数が減っている。
この学校の6年生はわずか5人でした。
1年生の頃はもっとたくさんいたみたい。
なんか悲しくなってきちゃいました。
でも、この社会の中で生きるために仕方ないこともあるのだろう。
将来のために教育を
と考えられる親は多くない。
その日を生きるのにも必死なんだから。
人と話す中でグアテマラのリアルを聞くと、問題の根っこはどこになるのだろうかとわからなくなる。
学校に行かせるお金がない、
お金を稼ぐための職がない、
職を得るための知識、能力がない
豊かな知識、能力を身につける学校教育がない、
学校に行かない…∞
もちろん私一人の力ですべて変えることはできないわけがない。
でも、考えています。
ここで私は何ができるか。
たった2年しかないけれど、先輩隊員が土台を作ってくれたので、4校のパイロット校にとどまらず、市内全体でダイナミックな活動をしたいと思っています。
そう思ったのも、パイロット校以外の学校へ訪れたときに、何人かとてもやる気のありそうな方を見たから。
もっと日本のやり方や知っている知識を教えてほしいんだって。
もっとグアテマラの教育をよくしていきたいって。
将来のために今変えていかなければいけないんだって。
パイロット校の先生だからといってやる気あるわけじゃない。
たまたまパイロット校に選ばれていい迷惑と思っている先生も少なからずいる。
それよりも、今は一緒に未来のために闘う同志と熱く語り合いたい。
絶対にいると感じている。
何をやるかも大切ですが、誰とやるかが非常に大きな違いを生み出すと最近感じている。
私は2年しかない。
でも、ここの先生はこれからもここで生きていく人たち。
だから最終的には、ここの人たちでしか、本当の変化をもたらすことはできないと思います。
そのうねりの初めのひとこぎを一緒にできたらって今は思っています。
ですから、今一番求めているのは「出会い」です。
実は、早速今日グアテマラの今の教育の状態と今後必要なことやボランティアの活動など、よく理解してくれる人に出会えたのです。
話したりなかったので、明日も彼女の家に通います。
仲間がいるってとても心強い。
もっともっと同志の輪が広がることを願っています。
孤独だった日々をこえ、最近は人との出会いや子どもの優しさのおかげで、この町がだんだん好きになってきました。
大家さんがスペイン語の先生を紹介してくれたんだけど、彼女がとってもいい人。
歳も近くて、教え方もうまく、素晴らしい先生。
プライベートでも声をかけてくれて、今日は一緒にお散歩しました。
寂しそうにしていたのが伝わっちゃったのか、家族も私を気にかけてくれています。
グラシアスです。
はい、セニョリータ、おかげさまで元気にやっています!
スペイン語がままならない一年生へバイリンガルの授業。