奨学金事業

あの建物の役割

昨日の午前中に学力選考会を終えた後、すでに残された時間が少ないことがわかり切っているので、その日の午後から学力テストをパスした子供たちの家庭訪問をはじめ、保護者との面談を始めました。

昨日は4軒、今日は5軒まわり、さらに当日担任の先生の連絡ミスで参加できなかった2名の候補者の試験も臨時で行い、今日は昼食を食べる時間がとれないくらい、予定がつめつめでした。

でも、今日の一日はこの奨学金事業の根幹となる活動の一つです。

私たちの提供する機会を一番活用してくれる子ども、その必要のある子ども、そんな子どもはどの子なのか、この目で見て、肌で感じて、それを見定める時間。1年で最も重要な活動となる今のこの時間なので、気合が入ると共に、自然の自分の中からエネルギーがわいてきます。

 

今日は、担任の先生との家庭訪問でとても衝撃的な家庭の状況を見ました。

9人の家族が5畳くらいの小さな部屋で暮らしているという家庭です。

ものを収納するところもないので、とにかくなんでも壁につるしてあり、より一層部屋が小さく見えました。

(この家のどこで、彼女は勉強しているんだろう。)

(夜は、9人この部屋でどうやって寝ているんだろう。)

(何を食べているんだろう。)

疑問がいろいろと浮かんできましたが、すべては聞けませんでした。

この環境下で、ここまで勉強を続けてきた彼女はすごいと思います。

彼女の上の兄弟たちもみんななんとか勉強を続けているようで、奮闘しているように見えました。

基本的には、インタビューの最後に家族の写真を撮らせてもらっているのですが、この家に関しては私も驚きの中で心の余裕がなく、撮影を忘れてしまいました。

 

担任の先生も、このような環境下で彼女が毎日学校へ来ていたことを知らなかったと言って、驚いていました。

 

訪問後もふと、彼女はこれまでどんな風に生きてきたんだろう…と考えていました。

 

そこで、思ったのが、今環境整備を整えているあの建物のもう一つの役割のこと。

彼女のように家の中に学習環境がないような子どもの第三の居場所としてあの建物を活用できたらいいな。

自習室のようなところをつくって、宿題ができたり、本を読めたり、家でも学校でもないも一つの居場所が作れたら、彼女のような環境下の子どもでもより学力を身に着けたり、違う世界に触れたりできるかもしれない。

そんな場所になったらいいなと思いました。

 

さて、トライアル英語プログラムに参加する10名の子どもたちが決まってきました。

時間が限られているので、明日からどんどん子供たちを呼んで、オリエンテーションです。

今回は、すでにプログラムをやり切って奨学生となることが決定している3名の子どもたちに来てもらい、新規候補者のサポートをしてもらう予定です。

子どもたちのことは学力テストとインタビューだけでは、内面的なところまではわかっていません。これが、一対一でレッスンをすることで、その子の中にある光る何かを見つけることができるのです。

今回参加する10名の子どもの中には、何が眠っているんだろう。

そして、彼らをどんな里親さんに紹介できるんだろう。

一生懸命な子供たちを目の前に、何としてでも彼らをサポートしてくれる里親さんを見つけたい!という思いも強くなると同時に、きっとここから提供する出会いは、日本の方にとってもかけがえのないものになるのだろうと、すでに確信している私です。

 

2か月半、子どもたちのネット通信代をサポートしてくださる短期の里親さんを募集しています。ご興味のある方は、こちらのサイトより詳細をご覧いただき、ぜひご連絡ください。