この一週間で、私は現地の人たちから受け取ったものがいろいろとあります。
まず初めに、ビーズのバレッタを頼んでいる家族から、イチゴの苗をもらいました。
オーダーする商品の検討会のために何度か家を訪れているのですが、彼らの家はとても質素で、一つの部屋に家族4人で暮らしており、あとは2階に台所があるだけというとてもシンプルなお家。
そんな家のお父さんが、あるとき
「サキ、これもってけ」
といって差し出してくれたのがイチゴの苗。
聞いてみると、いくつか育てているのだという。2階を見せてもらったらそこにはいくつかのイチゴの苗が。そのうちの一つをくれたのです。
決して多くを持っている家族ではないのに、そのうちの一つを私にくれた心の大きさに尊敬の念を感じました。
そして、今日は、来年奨学生として受け入れていく小6の男の子の家族に彼らの持っている畑へ連れて行ってもらいました。
先日、ケータイ電話のことで保護者会を行ったときに、一人の奨学生のお父さんが
「いろいろと私たちにしてもらっているお礼に、私たちが持っている土地までの登山に誘いたいと思っているんですが、どうでしょうか?」
と誘ってくださいました。そうして、今日、その登山に行ってきたのです。
朝一で、木船に乗って対岸の休火山へ向かい、そこからずんずん一時間弱上っていきました。
船に乗るだけでも、少し怖がってしまった自分。船をこぐ3人の親子がとても大きく見えました。
対岸到着!
そしてすぐに山登り開始!
いつもお父さんは、この道を薪を担ぎながら何度も往復するんだそうです。
すごいなぁ。たくましいなぁ。かっこいいなぁ。
(もっと急なところもたくさんあったのですが、その時はすでに写真をとる余裕がなかった…。)
(こんな景色を見ながらの登山!)
弟君は学校より畑の方が好きなタイプらしく、自分が持っている道具をいろいろと紹介してくれました。まだ10歳くらいですが、すでに私よりいろいろと山のことを知っているようで、すごいなぁと思いました。
お気に入りの植物をコレクションしていた弟君。
ここが大好きみたい。
お父さんの畑に生えているいろいろな野菜や果物を見せてもらいました。
(それにしても、かなりの急斜面で私は滑り落ちそうで必死でした!!)
お父さん、自分の畑の栄養満点のチピリンをお土産に持たせてくれました。
最高の登山ツアーでした。
そして、私は思ったんです。
「なんて、豊かな暮らしなんだろう。」
と。
確かに、農家はお金をあまり稼げる仕事ではないし、そのために子どもたちが学びたい分だけ勉強できる環境を提供するのは、この家族には簡単なことではないのですが、彼らの暮らしからは学ぶことがたくさんある。
こんな風に日々を暮らすことで、心がどれだけ耕されているんだろう。
自然との共存、一生懸命に働くこと、そんな暮らしの中で磨かれる人としてのたくましさ。
私は、彼らがキラキラしているようにこころから思えて、こんな暮らしの中にある輝きを多くの日本人は知らないんだろうなぁと思いました。
彼らはこうして、私が持っていないものをたくさん提供してくれました。
ビーズをつくってくれている一家も自分たちが持っているものを私に与えてくれました。
人それぞれに提供できるものは違うけれど、きっと誰だって人と分け合えるものを持っている。
自分が持っているものを差し出して、自分が持っていないものを与えてもらう。
それが優しい社会。そして、それは当たり前の社会なのかも。
物質的、金銭的には決して多くを持っているわけではないグアテマラの家族ですが、それでも持っているものを当たり前のように私に差し出してくれる人たち。
昨年、「子どもの貧困」という本を読んで、自分がどれだけ傲慢な生き方をしてきたかと情けない気持ちになってから、本気で想いを行動にしなければという気になりました。
そこで思ったことが、
多くを持っている人は、多くを与えるのが当たり前の社会の実現を
ということでした。
私は、ここ最近の日本は「自分の幸せ」をものすごく重視したメッセージでありふれているように感じています。
どうしたら痩せられるか
どうしたら若く見えるか
どうしたら儲けられるか
どうしたら賢くなれるか
みんな幸せな人生を手に入れるために、得になることをやっていきましょう!
というメッセージをひしひしと感じる。
でも、待って。
私たち、すでにたくさん持っていませんか?
持ちすぎていませんか?
私は、もう日本はすでに物質的な豊かさの飽和が来ていると思います。
人が人として幸せに生きるのには、そこまで多くのものは必要ではないのではないでしょうか。
得ることを考えるのではなく、与えることを
奪うことではなく、分け合うことを
そういうことが、これからの日本には必要だと思うし、それこそが本当の幸せにつながっていく道だと思います。
私は、ここで受けているいろんな恵みを独り占めしてしまうのはもったいないなと思っていて、この感覚をいろんな日本の方へお届けしたいと思います。
その感覚を感じ取ってもらうのは、私が間接的に伝えるだけでは、心まで震える経験は味わえないと思います。
そこで、この文章をここまで読んでくださった方にこちらの機会をご紹介します。
グアテマラの子どもたちの里親になってみませんか?
これからまた小学6年生の子どもたちの選考会を行います。
そこで、3~6名ほどの子どもたちを選ぶ予定でいます。
その子供たちがオンラインで英語プログラムに参加する通信費などをサポートしてくださる短期の里親さんを募集いたします。
この里親さんには10週間、英語を学ぶ子どもたちを日本から見守っていただきます。
金額は、10週間で6000円のサポートをお願いさせていただきます。
詳しくは、NPO法人幸縁のHPをご参照ください。
グアテマラの子どもたちには、パワーがります。
そのパワーは、皆さんの日常に潤いを与えてくれるものであると信じています。
まだまだ私たちの活動も小さいものですので、たくさんの方にこの機会を届けできませんが、もし今の時点でご興味のある方がいらっしゃいましたら、一度団体HPよりご連絡ください。
ここに、皆様とグアテマラの子どもたちの未来が輝く「幸縁(しえん)」がきっとあります。
登山から帰ってきて、シャワーを浴びで疲れ切った体でベッドにバタンキューしていたころ、「サキ、男の子が下でサキに会いに来たと言って待っているよ。」と家の人が言うので、なんだろう?と思って行ってみると、別の次期奨学生となる小6の男の子が立っていました。
「サキにお昼ごはん持ってきた。」
なんと、出来立てほやほやのサンティアゴ名物パティン(トルティーヤつき)を、持ってきてくれたのです。
とってもおいしかった。
男の子の家族の想いを感じて、より一層おいしかった。
でも、やっぱり私一人がこんなにももらってしまうのは、なんだかもったいない気がするので、誰かにこの機会を分けたいです。
魅力いっぱいの子どもたちとその家族。
あなたの人生にも、ご幸縁いかがでしょうか?
ちなみに、今日の登山ツアーの動画をめちゃくちゃ簡単に動画にまとめたものがあるので、よかったらご覧ください★(4分程度)