高校2年生、通学にかかっていた往復3時間を練習の時間にまわしたいという思いから、親にお願いして校内にある寮へ入れさせてもらった。
こうして、さらに私の高校生活はバスケ一色に。
高校生活で私という人間に深みを与えたのは、部活動の顧問の先生に毎日提出していた部活動ノートの存在。
一日一ページ、毎日毎日先生に提出していた。
先生も忙しい中、私のノートに返事をくれた。
これが、3年の卒業まで続き、最後には20冊くらいになったと思う。
はじめのころ、このノートに私は、今日の練習で自分ができたことやできなかったこと、次の目標などそういうことを書いていた。
しかし、ある時先生が、私を呼び、
「サラ、このノートにはもっと自分の心を書きなさい。練習でこれができた、あれができたとか、そういう事実や目に見えることではなくて、『目には見えないもの』を書きつづるノートにしなさい。」
と言った。
そこから、私は練習の内容ではなく、その時の自分の心の状態やバスケットとは関係のないことまで書くようになった。
例えば、
先輩が見えないところで掃除をしていて、自分もそんな先輩になりたいとか
いつも先生から怒られている先輩に対し、それだけ期待されていうらやましく思ったとか、
最近、親に対して素直になれない、どうしたらいいのか悩んでいるとか、
クラスメイトがこんなことをしていて、自分は感動したとか。
あるときは、先生から宿題を出される時もあった。
「感謝」とはなにか?どのように表現することができるのか。
「誠実さ」とはどういうことなのか。
その時の自分にぴったりとあった詩がノートに貼ってあり、これを読んで何を感じるか。
この世界に「目には見えないもの」は、どんなものがあるか、書けるだけ箇条書きにして書きなさい。
とか。
今まで考えたこともないような問いかけをされ、そんな問いの答えを自分の頭や心から探り出す作業はとってもおもしろかった。
自分では気づかなかったことも、深く考えてみると自分の中に答えがあったり、自分の知らない部分を見たりと、日々何かを発見していた。
そして、そんな自分の心から出たものに対する先生からの言葉はこれはまたいろいろと考えさせられるのもで、そんな心のやりとりが私はとっても好きだった。
こんな風に、一日の終わりに、今日一番心が動いた出来事を思い出して、毎日1時間くらいノートを前に自分の心と向き合うという作業を3年間続けた。
こうして先生は、いつも私の心の中にフォーカスをあて、いろんな問いかけをする中で、私の心を育ててくださった。
このノートを通して、顧問の先生から教えていただいたことは、数知れなく、もちろん今もこのノートは大切にとってある。
ある日このノートに
「サラ、教師という職業はどうですか。」
と、問いかけられたことがあった。
その時は、
「それは、まったく考えたことがありませんでした。」
と答えた。
当時自分は、忙しいわりに報われない職業「教師」には、絶対になりたくないと思っていた。
でも、この先生の問いから、
(私も、先生みたいに誰かの心と向き合い、語りかけ、人を成長させる、そんな人になれたら、どんなにすてきだろうか・・・。)
と、小さな声で自分に問いかけ始めたのだった。
これが、私の教師への道のりのスタートラインだった。
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久々に高校時代のことを思い出しました。
振り返ると、本当に顧問の先生には、多くを教えていただきました。
この先生は、妻として、母として、家庭をもちつつも、一日のうちの多くの時間を私たち部員のために費やし、多くの情熱と愛情を注いでくださいました。
顧問として、教師として、そして女性として、心から尊敬していました。
あれは、卒業式の前日だったかな?
先生が
「サラ、ちょっとこっちにおいで。」
と、教官室で話していたところ、体育館へ出されました。
何かと思ったら、突然無言で先生は私を抱きしめた。
「サラ、今までありがとうね。」
あまりに突然で、びっくりして身動きがとれなかった私。
先生の心臓の音が聞こえて、そこに温もりを感じました。
私は、こんなにも愛されていたんだと・・・。
私が3年間頑張れたのは、この恩師との間に深いつながりがあったからだと思います。
私は、そういう人と出会えた時、その人のために、その人を喜ばせたい、その人に認められたい、そんな思いで本来出せる以上の力が出るんだと思います。
そして、これらのことを思い返す中で、私は人一倍「忠誠心」が強い人だと思いました。
心から尊敬する人へは、絶対に裏切らない自信がある。
だから、30代、一番の課題は人生のパートナー探しになると思うんですが、心から尊敬する人と一緒になれたらいいなと思います。
そうじゃないと、あきっぽい私は絶対に長続きしない・・・。笑
P.S.
ダニ・ノミ対策で、衣類を熱湯消毒しました!
さらに、布団の中で彼らとの接触を回避するために、最近カッパを着て寝ています。笑
ほんっと、このかゆみ、やばいんで!!
1つのことを夢中で追いかけた日々は、幸せな時間だったな。