奨学金事業

【2023選考会】家庭訪問

学力試験に合格した15名の子どもたちの家庭訪問を2日間で行いました。
(途中1名繰り上がり合格で、計16軒)

子どもたちの親御さんは、みなほとんどスペイン語が話せないので、やりとりはバネッサ任せ。

サンティアゴは、ほっそ~い抜け道のようなところがたくさんあって、絶対に一人では迷子になる道をずんずん行きました。

(2名並んでは歩けない幅)

 

毎年、この家庭訪問はものすごく大切な活動だと感じます。

学力試験ではまったく見えなかったその子の姿や家族の情報がたくさん得られるからです。

この候補者の中から、私たちの提供するチャンスを生かしていける子どもは誰だろう。

日本の人がついつい応援したくなってしまう子どもは誰だろう。

日本人が忘れかけている大切な何かを持っていて、感動や喜びを与えられる生き様をしている子どもは誰だろう。

 

そんなことを頭に浮かべながら、一軒一軒まわっています。

 

今回も、大変励まされるような生き様をしている子どもたちが何人かいました。

家の作りは大変質素で、とっても狭い1室で家族みんなで暮らしている姿。

それでも、笑顔いっぱいで何事も前向きに取り組む姿は、ぜひ日本の皆さんに見ていただきたいと思うものでした。

 

あとは、個人的に思ったのは、保護者の皆さんが私と大体同い年だったりするのですが、その方々の多くが人生で一度も学校へ行ったことがない方がたくさんいて、私は同じ時代を生きているのに、私たちは全く異なる環境でここまで生きてきたのだぁなと実感。

私は何も知らずに日本でぬくぬくと、たくさんのチャンスを与えられていることも知らずにわがままばかりいって育ってきた人生。

日本の人生がすべて良いとは思いませんが、やはり日本はどの子どもにも世界的に見たら多くのチャンスが与えられている。

ただ、努力もなしに与えられるものなので、それがチャンスだということにさえ気が付かない。

一歩世界をのぞいてみたら、それが普通のことはないとわかるのですが、当時は何もわからないままですから、感謝などできませんでした。

こうして人より多くのチャンスを与えられたのだから、人より多く何かを与えていく人にならねばいけないと、保護者面談する中で心の中で身が引き締まる思いがしました。

 

今回、驚いたことは16件中、4件、子ども自ら第2次選考に進むことを辞退した子がいたことでした。

まずは、そもそも会議に校長先生が来なくって、詳しく必須条件を子どもや保護者に提示していなかったのものあると思います。中学校へ進学する意思があり、英語を学ぶ意欲があるということ。というのが一部の条件ではあったのですが、実際に本人たちに聞いてみると、

そもそも中学校へ行くつもりがなかったり、

英語は嫌い、やりたくない

という子どもがいたり。

あとは、バネッサが「咲は、きびしいからね。時間厳守が基本だし、宿題もたくさんでる。」ときっぱり言ってくれたところ、

やりたくない…。

という子どもが4人も!!

 

こういうところ、ほんっと素直でいいですよね。グアテマラ人って。

日本人お得意の「空気を読む」ってことしないですから。

その場で、きっぱりと嫌なことは嫌という。

バネッサもその場で子どもたちのその素直さをほめていましたし、私も同感でした。

 

そうして、結局第2次選考へ進むことになったのは12名。

8名が午前校の子どもたちなので、午後にレッスンし、午後校の子4名は午前中にレッスン。

土曜日は、全体レッスンということで2週間、子どもたちと一緒に活動していきながら、実際の学力や学習へ向かう態度を見ていきたいと思います!