振り返りが遅くなってしまいましたが、12月18日に行われた地元イベントの振り返りを。
ずっと前から次の言葉が人生の中では大切なことだと思ってきた。
「置かれた場所で咲きなさい」
自分のわがまま勝手な方向へずんずん進んで生きるのではなく、与えられた環境の中でたんたんと自分にできることを行い、そこで花咲かすことが大事なんだと。
でも、私は中学校の先生をしながら生きていくことがもう辛すぎて耐えられなくて、28歳で退職してしまった。置かれた場所では咲き続ける器がなかった。
そこから2年間グアテマラでいろいろなことを考える時間をもらい、帰国後はもう一度日本の学校現場にもどりたいという思いが与えられた。
はじめての小学校の勤務。中学校とはまた違う難しさ、面白さ、やりがいがあった。
やっぱり忙しいことには変わりはなく、精神が参りそうなことは何度もあったがそれでもこの仕事を愛していた。
愛していたのだけれども、グアテマラへの思いも捨てきれず、グアテマラとの関係を今後も築きたいという確信を得て、今年の3月再び日本の教育現場を離れる。
置かれた場所で咲くことが大切だと信じているくせに、毎度毎度環境を自ら変えてしまう時運は、矛盾しているなぁと心の奥で思っていた。
地元で足を固めてしっかりと家族を養っている兄からは、
「サキの人生には、安定という言葉はないんだな。」とお褒めの言葉をもらった。笑
周りからは、勇気があるね、行動力がすごいねと言ってもらえたけれど、本当は心の中で「置かれた場所で他者へ貢献する覚悟が定まらない自分ってどうなんだろう?」って、ずっと思っていた。
そこから、ボーダレスアカデミーで社会課題へのアプローチについて少し勉強し、知識も増えたところでやっぱり気づいたことがある。
それは、
「目の前の人に対してできることを全力で行動すること」
これこそが、今の社会課題の解決への根本的な糸口なのではないかと自分なりに思ったのだ。
日本はあまりにも地域活動が希薄になってしまった。
大量のプラスチック問題、過剰包装だって、もっと身近なところでモノの売買や取引が行われたらプラスチックを使う量だって減らすことができるのではないだろうか。
リモートワークが可能になった今、もっと地域を魅力的なものにすれば人々の幸福度はあがるのではないだろうか。
どんな社会課題でも、自分たちが住んでいる地域が豊かになれば少しずつ社会課題は改善されていくと希望がもてた。
それがきっとよい道だと自分で証明したくって、私の中で
「地元への社会貢献」
ということは、自分の人生の一つのテーマになった。
だからずっとずっとその構想を掲げつつ、機会をうかがっていた。
そこで、なんともありがたいことに地元の国際交流協会の方から私に声をかけていただき、今回地元の方向けにオンラインイベントを開催させていただけることに。
参加者の名前を見てみると、自分が地元の小学校で担任をさせてもらった子どもたちが数名いて、本当にうれしく思った。
なぜなら、私がグアテマラまで来ようと思った理由のひとつは、これまで学校で出会ってきた子どもたちの美しい瞳にこたえられる大人になりたいと思ったからだ。
そこでイベントの中でお見せしたのが、次のスライド。
産休に入る先生に代わって、4年生を11月から担任した時の教室。
私は、2つのことを子どもたちにいつも伝えていた。
・自分で考える
・ごみをまたぐな
これをテーマに掲げていたので、宿題も自分で必要だと思った内容を自分に合った方法でやることを課題にしたり、床のごみについてみて見ぬふりをすることは、人に対しても同じことをする人だということを伝えたりしていた。
つまり、目の前の課題に真剣に取り組む、自分の頭で考えて行動するということを。
でも、ふと
「それって、自分はできているの?」
と思うことがあって、なかなか背中で語ることができていない自分が情けないなぁと。
だからこそ、私はグアテマラへの思いを無視するのではなく、正面から向き合っていこうと思うようになったのだ。
去年の今頃、私はグアテマラへ行くことを決断した。
今年の1月に職場から来年の人事希望調査の紙が配られたとき、私はこう書いた。
「退職。来年度は、別の形で刈谷市の教育に貢献します。」
今回のオンラインイベントの参加者の半数は子どもたちだったので、微々たる力ではあったが、地元の子どもたちに少しだけでも世界に視野をむける機会を作ることができ、うれしく思った。
今後は、もっともっとこのような機会を自ら作って、地元への貢献を有言実行していきたいと思う。
これからも自分のテーマはこれ。
小さいエリアで深いつながりをつくってみたい。
やっぱり自分の考えとしては、目の前の人からはじめることが大きな社会課題の糸口となると思う。
そのことをまずは、自分が証明してみせたい。
第2部では私の知り合いの方10名の方の力をお借りして、地元の方とここサンティアゴアティトラン市の人の交流会が行われ、それも大変好評だった。
協力してくださった方皆さんに感謝します。
イベントの振り返りというより、自分にとってのこのイベントの意義の説明という感じになってしまった。
とにかく、何度も置かれた場所から離れてしまった私だが、やっぱり「置かれた場所で懸命に咲く」ことを目指して、活動していきたいと思う。