派遣前訓練

教師の労働環境

昨日、めっちゃ久々に新聞というものを読んだ。

ここでは、テレビもないし新聞も一か所でしか読めないので、ちまたで何が起こっているか、全然知らない生活を送っています。
時間があったので、ふらっと新聞を読みに行くと、朝日新聞の一面の見出しは…

「中高校 部活動に休養日案」

みなさんは、これに対してどんな意見を持たれますか?

私は、この流れは大いに賛成です。

自分も中学校から顧問の先生に恵まれ、熱心に休日も部活の指導をしていただきました。ですから、休日も部活動はやるもんだというのが当たり前だと思っていました。

でも、先生という立場になって、教員の勤務状況を目の当たりにし、この「当たり前」はかなり異常だと感じるようになりました。

労働基準法では、勤務時間は1日8時間、1週間40時間。
残業は1ヶ月45時間まで。1年に6回までは60時間の月があってもよし。

この法律をやぶって、経営している企業はいわゆるブラック企業ですよね。

では、教員はどうなんでしょうか?
私の知る限りでは、中学校の先生は平日朝7時ごろから、夜は平均で9時(私の場合、大抵もっと遅くなってしまっていた)ごろまで学校にいました。そして、土日は原則どちらか1日の活動なので、土曜日に半日やるとして少なく見積もって、5時間。それを今月に当てはめてみると…
勤務時間外労働は108時間になります。

実際には150時間超えている方がほとんどだったのではないかとおもいます。
時期によっては、200時間の方もいました。

もちろん残業代というものはありません。
部活動手当はありますが、時給にすると数百円の世界です。

もちろんもっと効率をあげればいい、
もっと工夫して早く仕事が片付けられるように能力をあげればいい
と思われると思います。

確かにそういう部分もあるでしょう。

でも、先生の仕事って、終わりがない。
子どものためにって思えば思うほど、
いい授業をつくろうと思えば思うほど、
強いチームをつくろうと思えば思うほど
時間をかけることになります。

妥協すれば、もっと仕事も少なくなる。
部活も減らして、授業も教科書読むだけにして、クラスもなんとなくみているのであれば、もっと早く帰れるし、自分の時間もある。
でも、教師ってそうやって働く職業じゃないですよね

学級も教科の授業も部活動も、どれも大切な生徒相手に手はなかなか抜けません。
どの場面でも、子どもと関わること、自分のあり方を問うこと、深く追求すればするほど、見えてくるおもしろい景色がある。

でも、体はひとつ。
時間は1日の24時間しかないのです。

これは、私の心が弱いからかもしれないけれど、私自身は本当にこのライフスタイルが苦しかった。
もっと自分の時間がほしかったし、休みがほしかった。

私が退職した一番大きな理由はここにある。
このままでは、自分の心が壊れちゃうって思った。
いくらすばらしい職業だとしても、私にはこれ以上この環境でやっていく自信がなかった。

どれだけいい働きができたとしても、自分自身が壊れちゃったら、だめでしょ。

私と同じ理由で、この職業から離れる人は結構いると思います。
でも、これってすごくおかしいと思うんですよ。

国の宝である子どもたちを育てる先生のという職業がこんなにもブラックでいいのでしょうか。

私はとっても疑問に思います。

だから、今、日本の教師の労働環境を変えていこうという社会の流れには大賛成です。
では、実際何を変えていけるかといったら、部活動しかないと思うんです。

これについてはいろんな意見をおもちのかたがいるでしょうが、私は学校はもう部活動というものを手放したらいいと思っています。

学校がここを手放して、地域のスポーツクラブなどに任せていけばいいと思う。

そうすれば、子どもたちも先生以外の大人にふれる機会が増えるし、地域ぐるみで子どもたち育てていくことができる。
子どもも1日中、学校にしばられないで済む。
学校のグチや先生のグチ、家でのことを学校外で吐き出せる場所があってもいいんじゃないか。

そういう意見に対して、教師側は
「部活動指導があるから学校での生徒指導がしやすい。だから、大変だけれど部活動での子どもとの関係づくりが学校生活の要でもある。」

という意見がでます。

私もそれについてはすごくうなずける。
確かにそうです。

でも本当にそうでしか方法ないのかな?
部活動での顧問の権力を使ってでしか、学校生活をマジメに送らせる生徒指導ってできないんだろうか。

学級と授業で誠意と愛情もって、ひとりひとりとちゃんと向き合えたら、そんな権力でおしつける指導しなくてもいいんじゃないか。

そもそも世界でこんなにも部活動をやっている国は日本以外ないと思う。

アメリカやニュージーランドで外国の男の子たちとバスケをした時に、私がまぁまぁバスケができたことに彼らはかなりの衝撃を受けていました。

「なんでそんなにやれるの?女子でこんなにやれる人は見たことない!そもそも一般的に女子はこんなにスポーツやらないよ。」
って。

どうやらない部活動とかあまりないらしい。
やりたい子は一部やるけれど、全員が学校で毎日放課後に部活をやる習慣はないようです。

部活動では、私もたくさんのいい思い出を子どもたちから与えてもらいました。
その子達のために、自分の時間を削ってでも何かしてあげたいって思う大切な場所でした。
だから、部活動指導を軽視しているわけではないんです。
その魅力も感動もどれだけ価値あるものか、多少なりとも知っているつもりです。

でも、もうこの状況は限界じゃないですか?
何かを変えていかないと、この先、本当に子どものために力を尽くせるいい先生は減っていくと思います。
その結果、一番被害を受けるのは子どもたちです。

見えていない世界もあるんだろうけれど、今の私はこんな風に思います。
生意気に言わせてもらってすみませんでした。

そして、これだけ言いたいこと言っても、今の私には教師の労働環境改善に何か変化を生み出す力はない。

でも、せめて世間の方に少し理解してもらいたいと思って、ブログで思っていることを書いてみました。
私も自分が部活動を子どものころさせてもらってすごく学ばせてもらった経験があるので、同じような経験のある保護者のかたをはじめ、それがなくなるなんて社会はそう簡単に受け入れないでしょう。
でも、少しだけでいいので現場で身を削ってがんばっている先生たちのことを考えてみてほしいです。

みなさんは、この新聞記事、どう考えますか?
聞いてみたいです。

有志主催で開かれることになったKTC文化祭。(←私なんちゃって実行委員)
そこにダンスで出場するメンバーでオリジナルTシャツつくったよー!

創作活動はたのしいねー!
ダンスもいい感じになってきました!
初回に比べ、だいぶ色気も出せるようになってきたと自負しております。笑

さぁ、訓練生活もあと10日!
全部全力投球でいくぜぃ!