教員対象学力テスト

「教員学力テスト」準備編

たまには、ちゃんと活動報告をしようと思います!

 

今年一発目の活動、

 

「全市内教員対象学力テスト」

 
動機
・教師が子どもに、誤った内容を指導していたため。
・教師が指導内容が分からないために単元をとばし、子どもの学習する機会が失われているため。

・総合的にとらえ、授業の質が高まらない大きな要因の一つは、教師の学力不足であると感じたため。

 
目的
・教師の学力レベル、不足している知識を把握し、今後の活動内容を検討していくため。
・初等教育算数科において必要な学力をすでに備えている教師を把握し、他教員へ指導できる人材を発掘するため。(→私の任期が終わった後も、持続可能なシステム構築の一歩になるのではと企んでいる。)
・教師が初等教育算数科における学習内容を把握するため。
・自己の学力レベルを知り、教師自身が日々学ぶ必要性があるということを自覚するため。
 
実施までの流れ
8~9月
・教員の学力不足に課題を感じ、こども以前に教師の学力向上の必要性を感じる。
 
10月
・教育学区長に教員対象の学力調査を提案するが、今は忙しくてできないと却下される。
・報告書の出回り事件により、一部の先生方に嫌われ、自分自身も全教員対象は厳しいなと感じる。
 
11月
・教育学区長に教員の学力テストはパイロット校の5校だけにしようかと考えていると言ったところ、「できれば全教員やりたい。」といわれたので、それならやろうじゃないの!とエンジンかかる。
・全学年の教科書をあさり、項目ごとに分類して人生で初めて算数のテストをつくってみる。
・気合はいりすぎて作ったところ、100問のテストができる。
→同期隊員にみせる。「これは絶対的に問題数が多すぎる!」といわれ、は!っとする。(そういえば算数、数学のテストで100問のテストって聞いたことないや!)
→先輩隊員にみせる。スペイン語を修正していただく。さらに、細かい指導もして頂き、より洗練されたテストになる。
→グアテマラ人の友達(教師)にやらせてみる。予想をはるかに超えて、できなかったので、複雑な問題をとりのぞき、数字ももっと簡単にして、問題数も減らす。
・市長と面談し、印刷費を援助していただけることになる。
 
12月
・企画書が完成、教育学区長へ送る。
・バケーションを楽しむ。
 
1月
・カウンターパートに試しに解いてもらう。→予想以上に時間がかかり、さらに問題数を減らす。結果、50問になる。
・テスト3日前、教育学区長の権限で、全校長に全教員の招集命令が正式にかかる。
・テスト2日前、市役所にて印刷依頼をし、印刷完了。問題用紙のホッチキどめを一人で210部する。試験に必要な机を運び、肩がこる。座席表、当日掲示用ポスターをつくる。
・テスト前日、教室の最終清掃、机配置、座席プレート設置、掲示物掲示、試験の流れなどの最終確認。模範解答をつくる。緊張してくる。
 
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こんな感じで、新年気合が入りきらないと思っていたけれど、気づいたら忙しくて、いつの間にか夢中でこの試験の準備をしていた。
 
頭をなやましたところは、先生方のレベルが測れるテストをつくること。先生方にとって難しすぎて、なにもできなくて終わってしまっては意味がない。しかし、あまりに単純すぎる問題でも、意味がない。まだまだグアテマラの先生方の学力レベルがはっきりとはつかみ切れていないので、予想がしきれなかったところ。(その為にこれをやるんですけどね。)
あとは、どうしたら不正行為を防げるのかというところ。先輩隊員からも、同僚からも、ここの先生たちは平気で隣同士相談するし、カンニングするよといわれていた。それをどうやって最低限に抑えるかという戦略をあれこれ考え、できる限りの対策をしました。
 
いよいよ、明日が勝負の日!
何が起こるやら、心配事は考え出すときりがない。
まず、先生方が本当に来るのか?
 
やる前から100%わかっていたんですが、この学力テスト、たいていの先生方はやりたくないと思っています。
これをやることで、嫌わせセニョリータはますます嫌われる結果になることも、わかっていました。
 
予想通り、一部の先生は
「サキとは働きたくない。」
「この村に何しに来たの?自分の国に帰ればいいのに。」
といっているそうです。
 
私は、こうなることはもう確信していたので、まったく驚きませんでした。
「やっぱりね~。」
ってくらいです。
去年の嫌われ事件でちょっと免疫がついたのがよかったようです。
もう、やると決めたんだから、引き下がらない。
何事も、新しいことを始めるには、向かい風があって当然。
これは、自然な流れなんだと思うと、あまり気にならない。
 
でも、先生方そうは言いつつも、このテストが先生の中で話題のトピックナンバーワンになっているようで、いい風を吹かせているようにも思います。
事務所に「試験のコピーちょうだい~」
ってくる先生は、少なくとも10人はいました。笑
 
まず、テストをするのに動揺するということは、自分の学力不足に自覚があるということ。ここと向き合うことは、学びが始まる一歩のなるということ。いいじゃないか。
 
ある校長先生は、先生たちあせって勉強しているよ。と教えてくれた。グアテマラの先生も、やっぱりテストとなるといい点とりたいんだ。そのために、勉強し始めたとは!自分から勉強するだなんて予想していなかった。とてもいい刺激になっているじゃないか。
 
頭の切れる先生方だと、明日はいい点とってやるぜ!という顔をしてあいさつしに来てくれた。なんかいいモチベーションになっているじゃないか。
 
正直、80%は不安な気持ち。
先生たち、ボイコットしないかな~、
みんな遅れてきて、試験時間に間に合わなくって、計画が台無しになるんじゃないかな~、
先生たちカンニングしまくって、収拾つかなくならないかなぁ~、
私の問題、説明に不足があって、混乱が生じないかな~、
とにかく、考え出すときりがないくらい、不安です。
 
でも、この学力テストの実施に当たってこれまでも困難がたくさんあったけれど
、結果なんだかんだうまいこと話が進んでいったので、きっとこれは進むべき道なんだと私は思っています。
私はできる限りのことをやる。それでうまくいかなかったら、それを学ぶ機会にすればいいわけで、失うものなんて、何もないのよね
だから、きっと大丈夫!だよね~!!?
 
 
明日は、ドキドキの一日になりそうです。
 
つづく。