サンティアゴアティトラン

ちょちょぎれ涙

どこにいっても、浮く人っていますよね。

 

でも、思うんだけど、そういう浮く人って、なにかほかの人とは違う視点や考えを持っている人。

自分を殺してまでまわりに合わせない生き方ができる貴重な存在。

 

私は今までの人生の中で、周りから毛嫌いされている人が結構好きだったり、魅力を感じたりしてきた。

 

だから、噂を信じないようにしているし、その人がどういう人かは、自分で判断するようにしている。

 

 

昨日話したフェリペは完全に学校で浮いています。

 

実は、2日連続でフェリペの学校で授業研究があって、今日も昨日の学校に行ってきました。

昨日教えてもらった、教師の腐敗した実態を生で見ようと思って予告なしに、始業時間に行ってみた。

 

その結果。

 

 

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子どもがいない。

 

ほんっとにいない。

 

いるのは、フェリペのクラスの子だけ。

 

今日は市場の日なので、そのお手伝いなどに駆り出されるので毎週金曜日はあまり子どもが来ないとか。

 

またあるクラスでは、2人の先生方が朝の読書時間中、子どもの前で堂々とお話ししながら朝ごはんパクパク。

 

半分以上の子どもが休んでいるから授業はやれないってことで、子どもたちほったらかしにしている状況も。

一日ぼーっとすごしている?

 

しかし、今日はもう何も言わないと決めてきた。

今は、とにかくここの先生と一対一で関係を作っていくことの方が優先だと思い、どんな状況でもニコニコしてお話しさせてもらった。

 

まぁそれはさておき、今日の授業者はフェリペ。

 

はじめに言っちゃいますね。

 

私、授業中、涙がちょちょぎれそうになりました。

 

だってさ、ここの先生は、大人への見世物のために子どもを使って、自分の都合で遅く来て、早く帰っちゃう人たち。

彼ほど教師の仕事に対して情熱を持っていないし、子どもの将来考えている人はいない。

 

そんな中の彼の研究授業。

 

そもそも時間になってもほかの先生集まらない。

なにしているのかな?って思ったら、隣の部屋でなんか食べてる。

なんであつまらないの?って聞くと、

フェリペが呼びに来ないからって。

 

 

あぁ~、彼はこの学校で嫌われているんだなぁってすぐにわかった。

 

30分遅れでようやく全員の先生たちがそろったところで、フェリペは全員分の観察シート、指導案を配布。(ちなみに昨日の授業では、私のCPと教育学区長にのみ配布され、ほかの先生と私には何も配られなかった。観察者の先生、なにもメモもとらずに寝るって状況。)

 

そこには、小さな紙切れがくっついていた。

 

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「どうかこの紙に今日の授業の感想、アドバイスを書いてください。あなたの協力で私たちの村の子どもたちの教育を改善していく一助になります。

 

"教育とは人生を切り開く鍵であり、教師は子どもの人生に生涯にわたるインパクトを与える存在である。 Solomon Oritz. (咲訳)”」

 

 

胸があつくなった。

 

研究授業なんてだりぃ~、教育がどうとかあつくるしいって思っている先生たちにそんなメッセージをこうして発信しているフェリペ。

 

 

そして、彼の授業は、すごかった。

 

導入での子どもの引つけ方、

授業展開、

子どもとのやりとり、

時間の使い方、

 

何より子どもが生き生きして授業に食らいついている。

 

 

グアテマラにこんなにも腕のある先生がいたのか!ってほどに。

 

彼は、勉強熱心で本当にいろんな教授法を心得ている。

 

昨日の的外れの授業とは天と地ほどの差。

 

私は、1時間ずっと彼の子どもの前での立ち振る舞いにくぎ付けでした。

 

一番びっくりなのは、BGMで一時間ずっとバックにモーツァルトのクラシックミュージックながしていたこと!笑

 

ミュージックセラピーも大切にしているんだって。

 

いやぁ、この発想は日本では見たことも聞いたこともなかったので、

まじ?

って初めは思ったけれど、結構勉強に取り組むにあたって効果あるんじゃないかと感じた。笑

 

とにかく、この一時間の中にいろんな意図が凝縮されていた。

 

でも、観察者の先生は、頻繁に出入りするは、途中で帰るは、つまんなそうにしておりはって感じで全然彼に敬意を払わない。

 

それでも、彼は一流の授業を見せてくれた。

何よりも、子どもへの深い愛が伝わってくる1時間だった。

 

 

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そんな彼の姿に、私は泣けそうになりました。

 

いや、泣きました。

 

こんな環境に置かれていても自分の使命を見失わずに、闘っている姿、子どもを愛し貫く姿に…。

 

でも、授業で突然泣き出す日本人ってわけわからないので、もちろん隠れて。

 

 

授業研究のあとの協議会。

 

私が市内で見てきた授業の中で、子どものことを一番考えて組み立てられた授業だったと感じたけれど、同僚の先生たちはそれを理解していない。

結局的外れな意見や、表面上の意見しか出てこない。

それでも、彼はすべての意見をメモに取っていた。

 

私の胸には言葉にならない思いがいっぱい。

 

彼は、完全にこの学校では浮いています。

だって彼は、自分が納得できないまま「まわりと合わせる」ってことを絶対にしないから。

 

例えば、多くの授業研究では協議会で軽食が出されます。

それは、授業者の先生が「見てくれてありがとう」って感じで実費で出してくれるのですが、フェリペは一切なにも出さなかった。

 

それに対して文句言っている先生もいたらしいんだけど、フェリペに言わせたら、

それは何のためのお金なの?

そのお金があったら少しでも子どものために使いたい。

って。

 

確かに授業研究は互いに学ぶものであって授業者が見てくれてありがとうって姿勢で行うものじゃない。

 

 

自分が納得できないことはしない。

まわりに嫌われようとしない。

 

私は、嫌われるのがこわいって思うし、

できることならどんな人とも仲良くやりたいから、自分が乗り気じゃなくてもまわりに合わせることが結構あります。

でも、彼は違う。

 

だから浮いちゃうんですよね。

 

でも、私は、そういう彼を尊敬するし、素敵だと思う。

 

自分の生き方は、自分で決める。

 

かっこいい。

 

私もまわりに嫌われようと、どうであろうと、自分の信念貫ける人になりたい!

 

 

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学校からの帰り道、フェリペが撮ってくれました。

フェリペの学校は山奥のあるので、彼のバイクに乗せてもらってひとっ走り!いい景色!
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週末!