サンティアゴでの滞在は1週間。
この間に支援する子を見つけ、
どのように支援するかを具体的にまとめるには、時間との勝負でした。
でも、時間がないからこそ、必死になって人に話を聞きに行き、
優柔不断の私もすばやい決断ができました。
とりあえずできる限りの情報は得た。
これらの情報を元カウンターパート(CP)のペドロ(この人もペドロという名前なのでややこしい)と、奥さんのロサと会議。
いろいろと議論したところで、私たちが一番いいと思った提案2つ。
①全学生奨学生のソロラ県サンタルシアウタトランにあるENRO(エンロ)への進学
ここで学べば、大学へ行く前の中学校から高校までの5年間を、とても良い環境の中、入試で選び抜かれた同級生とともに、質の高い教育を受けられる。そのうえ、学費も、食事も、宿も、なにもかもが無料。
唯一必要なのは、そこへ入るための学力。担任のロサによると、ペドロは非常に頭がよく、運動能力も高いので、私は十分可能性を感じている。
ここで学ぶことを目指せば、ペドロにとっても、支援する私にとっても、家族にとっても、万々歳。
と、私は考えたけれども、ロサから一つの疑問が。
「ペドロのお母さんは、12歳の息子を家から出すことを許すだろうか…。」
ここグアテマラの良さは、家族の結びつきが非常に強いということ。
しかし、逆にこれが強すぎて、故郷から離れられずにチャンスを逃してしまうケースもよくあるそうだ。
ペドロの母に関しても、12歳のかわいい息子を、たとえ勉強は続けてほしいと願っていたとしても、家から出すことはきっと認められないだろう。
それが、ロサの見解でした。
いくら、こちらがよいと思う提案でも、本人やその家族が希望しなければ、絶対に無理。
そいういうわけで、もし一つ目の提案を拒否されたら、2つ目の提案をだす。
②地元の私立中学へ進学
サンティアゴには、いくつか私立の中学校がある。
この中で、いろいろと調査したり、私が実際に見てきたものの経験から、一番よい教育を提供してくれるだろうと考える私立学校への進学を勧めたい。
公立中学校ならば、学費はタダなので、支援する者としては楽だけれども、デモで授業がつぶれたり、先生たちが時間にルーズだったり、生徒の質や風紀も見ていてあまり感心できるものではない。自分の大切なお金を使い、一人の子の里親になったつもりで支援するのだから、彼には一番いい環境を与えたい。そうなると、中学校から私立で学んでほしい。
ただし、高校レベルからは、地元サンティアゴにいては、もう教育の質が確保できない。そのため、中学の3年間を終えたら、提案①で出したENROか、チマルテナンゴのPedro Molinaという全学生が奨学生としてお金をかけず、進学することを目指すことを条件にしたい。
その他細かい条件や物資の支援の仕方は、当面元CPのペドロ(大人)とロサを窓口にする予定。
とりあえず、彼らを信頼して、現金をある程度彼らに託し、物資を購入するたびに領収書を控えてもらうことになった。
この2つの提案をもって、明日再び、ロサとともにペドロ(子)の家を訪ねます。
ペドロ(大人)の子どもちゃんたちようにもってきたアルファベットのパズル。
気に入ってくれたようです!
元CPのペドロ、これからもどうやらお世話になっていきそうです。