こんにちは!
最近、どんどん月日が流れて、気づいたら帰国までおよそ100日くらいでした!
教員最後の年に、中学3年生の担任として卒業式を迎えていたのは、今からもう2年前です。
ほんっと、月日の流れってなんか不思議だなぁ。
今日は、先日行った教員学力テストの採点から見えてきたことについて、書いてみたいと思います。
やはり、採点しながら思うのは、これをやる意義。
このテストをやることで、目には見えなかったことが、明らかに見えてくる。
先生たちがどこでつまづいているのか、どのような知識が不足しているのか、それはなぜなのか、どうしてあんな授業になるのか、などなど、今までなんとなくは感じていたけれど、はっきりしない部分が、テストという手段を使うことによって、具体化される。
ここに教員テストのひとつの意義があると思います。
わかったことはたくさんありますが、今日は、不正解率が極めて高かった問題と、今回こだわった筆算の書き方の結果をここで話題にしてみたいと思います。
テストは、かけ算10点と、算数知識、技能の問題40点の50点満点のテストでした。
かけ算の方は予想通りの出来。
10点満点の人はわずかで、多くの先生はかけ算の暗記に苦労しているようです。
例えば、この用紙からは、先生もかけ算の計算を棒を描いて数えたり、数を筆算で足したりして、ようやくひとつの答えを出す人もいます。そうなると、制限時間の5分では終わらないので、空欄がいっぱいのテストになってしまったり…
子どもに起こっていることが、まさに先生に起こっています。
いや、本当はむしろ逆で、先生に起こっているので、教室で同じことが起こるんですね。
では、算数の知識技能を問う問題。
正解率を出してみたところ、意外な問題ができていませんでした。
正解率が低かった問題1
ここでは、12-3の計算式を日本で言うさくらんぼ計算を使ってどのように指導するかを問うています。
予想はしていましたが、もう何年もこの教科書で一年生を教えている先生も、まだこの計算方法を理解していないことがわかりました。
正解率が低かった問題2
分数自体が何かわかっていない先生も少なくないので、この問題は私もテストの中で一番難しいかなぁと思いましたが、案の定この問題が解ける先生は、かなり少なかったです。
帰国前に、何かしら分数の知識を補強する活動をやりたいなぁと改めて思いました。
正解率が低かった問題3
直方体の辺DCと平行な辺を全て書くという問題。
私の中では、簡単な問題かと思っていましたが、実はこの問題の正解率が一番低かったです。
前から図形の範囲は先生たちがかなり困難を抱えている場所というのはわかっていたんですが、計算も何もいらないこの問題の何につまずくのだろうか?と考えさせられました。
おそらく先生たちのなかで「平行」の定義が曖昧だということと、図形自体が頭にイメージできない?からかなと思いました。
これも補強のしがいがあるなぁと、今後の活動内容の参考になりました。
また、この問題ができていなかったことに少し驚き。
という問題。
解答は実に様々で、一体どのような思考をしたらこの答えになるのかさっぱりわからないものがほとんどでした。
(例えば写真の例では、11時間660分という解答に)
そっかー、だからいつも時間通りに集合できないのかな?
と納得した自分がいました。
また、今回こだわった筆算の書き方の採点。
去年は、筆算の書き方は採点に入れず、理解不能な筆算の書き方でも、答えが正しければ丸にしていました。
でも、子どもに教える以上、答えだけではなく、筆算の書き方を指導するのも教師の仕事。
ということで、事前に筆算の書き方ビデオを作って、紹介してから受けてもらった今回のテストは…
5人に一人は文句の言いようのないくらい、正しくかけていました。
去年のテストではこんな風に書いた人は一人もいなかったくらいなのに!
ビデオの効果がみられ、とてもうれしかったです。
しかーし!
そんな甘いものではありません。
やっぱり多くの人は、自己流の筆算。
↑わり算もこの形式で!?
世界にはいろんな筆算の書き方がありますが、国定教科書がある今、グアテマラではこの教科書に書かれていることをどの先生も熟知してほしい。
ということで、採点は厳しく。
明日から、テストの返却をしていきます。
自分の解答用紙と向き合う中で、先生たち自身が「ここはなんで間違えなの?」と疑問に思い、自ら指導書に手を伸ばしていくことを期待したいです!
で、そのあとはこのテストの内容を補強するための活動、「ARME(校内算数知識相互補強活動)」が始まる予定です!
なんだか忙しくなってきたぞ。
採点190名、大したことないと思えるのは教員生活のおかげです!