心と会話

終りがある恵み

すべてのことに、終りがあること。

それは、時に残酷なようにも聞こえるが、私はものすごい恵みだと思う。

なにより、人の一生に終わりがあること、これこそ最大の恵みかもしれない。

もし、人生に終わりがなく、いつまでも自分の時間がある中での命だったら、

今日って日は、きっと輝かない。

何事にも終わりがあるからこそ美しいと思う。

リミットがあるからこそ、人は、今日の一歩を踏み出せる。

私はそう思う。

 

グアテマラへ渡航するために退職した2021年。

何ができるかもわからないまま、コロナ禍でグアテマラへのチケットを購入した。

渡航直前に、ある人から言われた言葉。

「焦りすぎていない?人生、ゆっくり時期を待つのも大切だよ。」

そんな感じの言葉。

その人のことはあまり知らない。その人も私のことをあまり知らない人だった。

その中で、君、焦っていない?と言われたことにすごく違和感を感じた。

 

実際のところ、私は焦っていたと思う。

でも、焦って悪いですか?って思った。

30歳を超えて、このまま心の中にある思いを適当に扱って、ずるずるいってしまう人生に焦らない方がやばいことではないだろうか。

私は、人生に終わりがあることを知っている。

30歳を超えたらもう人生の折り返し地点を実はもう過ぎている年かもしれないのだ。

その時に、やれることがあるのに、やりたいこともあるのに、やらないのは、ただ自分の人生を軽く扱っているだけのこと。

命の時間は無限ではない。だからこそ、思ったときに行動しないと、どんどん熱は冷めていく。

情熱は、生もの。

時が来るのを待っていたら、冷めてしまう。

そのうち、どうでもよくなっちゃう。

 

顔のしわやこけた頬。白髪にやせ細った体。

最近、自分の顔を鏡や写真で見ると、びっくりする。

私の体はどんどん終わりに向かって、変化しているんだなぁって思う。

私に与えられている時間は、あとどれだけあるんだろう。

そんなことをなぜか私は、ふと歩いているときとに考えている。

 

でも、終わりがあってよかった。

終わりがないと焦ることもない。

今行動する理由がなくなってしまう。

 

すべてに終わりがあると思うと、日常が美しく見えるのだから不思議である。

愛おしくなる。

自分の時間を使って、できる限り後世によきものを残したいと思う。

 

今日も一日が終わった。

今日にも終わりがあった。

この一日は二度と私の人生には訪れない。

少し寂しい気もするが、愛おしいとも思う。

終わりがある恵み。

今日も受けとりながら、おやすみなさい。