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被災地の声

活動6日目。

私の主な仕事は、ボランティアの送り出しですが、送り出した後は時間があるので午後は、なるべく現場に行かせてもらうようにしています。
すると、言葉を失う光景を目撃したり、いろんな被災された方の声を聞いたりすることができます。
今日は、ここ小屋浦地区の住民の方の様子をお伝えしたいです。
1軒目にお手伝いさせていただいたのは、一人暮らしをしていたおばあさんのお家です。
過去形にするには、この方はこの災害でお亡くなりになったから。
このおばあさんの娘さん夫婦と息子さんがいらっしゃって、一緒に砂出しをさせていただきました。
一階は人間の胸の位置辺りまで全て砂で埋まってしまったようです。
おそらくいろんな思いが胸にあったとおもうのですが、黙々と作業されていました。自分が育った家がこんな状態になって、一体どんなお気持ちだろうか。お母様を突然亡くされてどんなお気持ちだろうかと、想像すると苦しくなりました。
泥まみれになった食器棚に入っていた沢山の食器を「こちらはどうしますか?」と尋ねると、
「もうすべて処分してください。」
と言われ、今まで何年も使われてきたであろう沢山の食器をすべてゴミの袋へ入れるのは、とても切ない気持ちになりました。
2軒目のお家の奥さんは、家族はみなさん大丈夫でしたが、大雨の中、この地区で起こった出来事を家の中から見ていて、とても恐ろしかったと言っていました。
「雨 という単語を聞くだけで、トラウマのようになります。」
その言葉から、心の傷を感じました。
自衛隊の臨時公共風呂であったおばさま。
今は、避難所生活されているようです。
最近の生活はどうですか?
と尋ねたら
「1ヶ月たって、だいぶ疲れが出てきました。少し落ち着いたのだけど、落ち着いたからこそ、先のことを冷静に考えるようになって、この先どうしよう…という不安がいっぱいになってきました。」
と言っていました。
日常が一気に消え、なにもかも無くなった時、自分だったら希望をもって生きていけるだろうか?と自問しました。
今日活動させてもらったおうちは、お年寄りのおばあさん一人のおうち。
家の状態はかなりひどく、一階は壁も床もすべてぼろぼろ。
私たちは床下の泥かきをしたのですが、かなりの重労働でした。
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これはおばあさん一人の力ではなんともならない状況。
話を聞いてみると、夜7時ごろ夕食を食べていたら、一気に土砂が家の中に入ってきたそうです。
あっという間に一階が土砂でうまり、ご自身は2階へ避難。
そこから18時間近く一人で飲まず食わずで待機。
翌日のお昼にようやくボートで救出されたそうです。
こんな恐ろしい状況で、お年寄りがひとりぼっちで18時間もいたなんて、本当に怖かっただろうなぁと思いました。
この地区では過疎化が進んでおり、お年寄りが一人で暮らしていることも多いようです。
そんな中、ボランティアさんが家に来て活動すると本当に喜んでくださいます。
こんな状況の中、ひとりぼっちで本当に心細いだろうなぁと想像します。
自分はなるべく、現場に入ったらおうち方の声を聞きたいと思って話しかけます。
そうやって話相手になるだけでも、表情が少し和らいでいる気がします。
ボランティアが各家庭に入ることは、単純に泥かきだけの支援ではなく、その存在が被災された方の希望と癒しになっている気がしました。
本当に、いろんなことを感じさせてもらい、ここにはすべて書ききれませんが、とりあえず現場の生の声をお伝えしてみたくなりました。
あと2日、ボランティアさんがスムーズにに活動ができるよう、また自分自身なるべく時間を作って、一人でも多くの手を必要としている現場に入っていきたいと思います!
お知らせ
このブログですが、どこを区切りに終わりにしようかなーと考えながら、帰国後も続けてまいりました。
9月からは協力隊としてではなく、いち教員として働くことになり、また新たなステージへ突入することになります。そのため、そこを境にこのブログも終わりにすることにしました。
そういうわけですので、あと数週間で協力隊のことも振り返りながら、日々感じていることを書ききって、さようならとしたいと思います。
今までご愛読していただいた方、本当にいつもありがとうございます。あともう少し、お付き合いよろしくお願いしますね!