そのおかげで、後から来た人は、ちょっと気まずそうに入ってきたので、この経験から、次回はもう少し早く来てくれることを期待。
まずは、12月の任国内研修会に来てくださった技術顧問と、専門家に勝手にインタビューをしたビデオを参加者の人たちへ見せる。
今思えば、この時から、この委員会のメンバーの人たちは自分たちの市でこの研修会をやることを想定したのかと思うと、すごいなぁと思いました。
このビデオから、どのようにして国定教科書グアテマティカがグアテマラに導入されていったのか、そして授業研究はなぜ行うのかという概要を共有しました。
その次に、去年パイロット校で行ってきた毎日の四則計算活動のオリエンテーション。
去年パイロット校でとてもいい成果が出たので、今年は市内全学校で導入を試みます。
去年は、5校の学校一校一校私が回って、研修会をしましたが、今年は委員会の人たちが一気に全校へその実施方法を説明。
グループA
グループB
さて、ここからグループAとグループBが別々の運命をたどり始めました。
グループBの方には、数名なんでも批判を言いたがる人たちがいまして、どうでもいいようなすごい細かいことにちゃちゃを入れてきまして、15分で終わる予定の説明が、30分以上長引くことに・・・。
で、私が「いろいろ疑問もあると思いますが、今月学校を回って、皆さんの活動の様子を見にいきます。そのときに質問がある人は聞いてください。とりあえず、今日はやることがたくさんあるのでこの辺で次のテーマへ・・・」
って言っているうちに
「いや、やれといわれても疑問があっちゃぁできないでしょ。その疑問が解決でないままならば、もう帰るよ。」
とかなんとか、言ってくる。
(グアテマラ人、強いなぁ~~)
でも、そんなときに去年すでに一年をとおして、この四則計算強化活動の経験のあるパイロット校の先生数名が、
「確かにはじめは慣れない部分もあるけれど、慣れてきたら、子どももすぐにできるようになるし、一年の最後には、とてもいい変化が見られたよ。これは、子どもの計算力を高めるための、いい活動だと思いますよ。」
とフォローを入れてくれ、とても説得力があり、とても心強く思いました。
委員会の人たちも、いろんな批判にうまいこと返してくれてくれました。
そして、今回のメインである、授業観察のポイントについてのパート。
昨年、任国内研修会用に撮影した、授業の視点を養うための比較ビデオでワークショップ。
やはり、ビジュアル化したものを見るというのは、とても分かりやすい。
参加者の人も、いい反応を見せていました。
しかし、グループBでは、これも一つ一つちゃちゃがはいる。
「○○って書いてあるけど、こんなの無理。だって・・・」
みたいな意見。
また、
「この観察シートの指標は、どうせサ
キが作ったやつで、この土地にあったものじゃない。なんでこれつかうの?」
みたいな意見も。
でも、どの批判にも委員会の人たちは、本当に上手に答えてくれていて、私は尊敬しました。
去年は、こういう批判に、一人ぼっちで答えていて、精神的にも体力的にもとてもしんどかったのですが、今年は、一緒に闘ってくれる心強い仲間がいることが、うれしかった。
彼らは、止まない批判の嵐にうんざりしつつも、ひとつひとつ真摯に向き合っていました。本当にすばらしい。
(↑批判と闘い中)
一方グループAの方は、とても順調に進んでいて、授業観察ワークショップの後に、実際に一つのクラスを見て、各自観察シートで評価。
そのあと、グループに分かれて、委員会の人たちを中心に議論を進めていきます。
12月に行った任国内研修会の経験をフルに生かし、グループを引っぱる委員会のメンバー。
とても頼もしい姿でした。
最後は、全体協議会の時間もとって、今日のプログラムが無事終了。
内容がいっぱいの研修会でしたが、すべてのプログラムを自分たちの手でやり終えたことに、私のカウンターパートもとても満足そうでした。
自分たちで力を尽くしたことに対して、手応えを感じてくれたそのことが私はうれしまったです。
グループBのほうは、批判の嵐に1時間くらい時間をとられ、すべてのプログラムは行えないことが途中で明らかに。
その場で、何を優先するかを決め、予定していた方法とは別の方法で、授業研究の協議会の進め方を共有しました。
こういう予定外のことがおこっても、臨機応変に対応できる彼らのキャパシティがすごかったです。
研修会後は、明日まだのこっている研修会に向けて、今日の反省会。
グループBの方は「もうほんっと、どうでもいいことをグダグダと文句言ってきて、こまった!!」とイライラを爆発していました。
うんうん、私もまったくおんなじこと、去年一人で思っていたよ。
でも、今年は、こうやって愚痴を言える仲間がいることが、うれしいな。
しかし、彼らはほんっと厳しい状況の中で、すごいことをしてくれました。
あの中で、負けずに戦い抜いた彼らは、本当に素晴らしかったし、この市にとってとても意義深いことだったと思います。
去年は、外国人の私がグアテマラ人と討議することが多かったですが、
今は、グアテマラ人から出てくる批判などに、グアテマラ人が頭をなやませ、闘おうとしている。
このことは、今後この市が自分たちの力で歩き始めていく大きな一歩であることの証。
彼らの中で、ぶつかってぶつかって、その中でいいものがきっと生まれるんだと思います。
今日は、すごく大きな一歩を踏み出した日になったこと、間違いありません。
さぁ、明日もう一日同じ研修会です。
今日の反省を生かして、きっとさらにいいものを生み出してくれるでしょう!